Naoko Spot Light

スポット・ライト


110バージョン

対談 大沢誉志幸



 

 1990年6月  2人は初対面ではないにしろ、ちゃんと話をするのは初めてだという。  お互い外見からイメージしていたものが解き放たれ、意外な内面に驚きながら、  話は尽きることなく進んでいった。 大沢▼ここ狭い感じしません?(対談場所は喫茶店の個室)実は、閉所恐怖症でね。    河合さんはそういう恐怖症はないですか? 河合▼ないですけど、例えば楽屋とかでは窓があって、外が見えるところのほうが落ち着くんですよ。    楽屋って密閉された状態のところが多いじゃないですか。    だから、待ち時間とかでもちょっと時間があれば外に出たいほうなんです。    上手に楽屋で時間をつぶせるほうじゃないんですよ。 大沢▼そうですか?結構ちゃんとしている人にみえるんですけどね。 河合▼そんなことないですよ。喫茶店に行くとかぶらーっと外へ行くとかしますよ。 大沢▼するんですかー・そういうこと。俺なんかよくやるんですけどね。    ツアーとか行っても「熊本城見に行こう」とか言って、    それもリハーサルさぼって行っちゃったりとか(笑〕。 河合▼さぼって!?ですか(笑)。でも、私も本当に、密閉された状態は苦手なのでおかりますけどね…。 大沢▼河合さんてどちらかというと自分でストイックな人だと思います?・ 河合▼そうですね…どうかな。どうですか、私をみてどういうふうに思います? 大沢▼いや、もう几帳面で、学生のころだったらさ、学級委員や班長さん、    風紀委員とかそういう役に必ず当てがわれる人っているでしょ、そういうタイプにみえるね。 河合▼そうですか?保健委員ならやってましたけどね(笑)。 大沢▼わりとそういうのとは縁遠い人なの? 河合▼そうですね。進んでやるほうではなかったですね。大沢さんはどうでした? 大沢▼いやあ、もうそういうのは縁遠かったですよ。だから、遠足とか修学旅行とか、    自主的に子供たちで班を作るときがありますよね。    誰と誰が同じ班になったというのを黒板に書いたりして。    そういう時も、決まって名前が書かれない人だったからね。    阻害されてるというか、いわゆる集団生活する上での行動形態とかには向かないんですよ。    でも、それとは裏腹にみんなとキャーギャーピーピー騒ぐみたいなとこもありますけど。 河合▼なにか作ったりするのが好きだとか?・ 大沢▼そうですね。そういうのが好きだったり、一人でどっか出掛けるのが好きだったり。    でも、みんなで男同士だけで騒いでいるのも好きだったりとか。同業者にも怖い人ってよく言われる 河合▼学生のころから音楽に興味があって、曲を作ったりとかしていたんですか。 大沢▼中学くらいかな。女の子が好きになるとその子をきっかけになにか作るとかね。    コードを覚えて、3コードで何ができるかな、みたいな。 河合▼そのコードっていうのは、ギターで練習したんですか? 大沢▼そう、ギター。こういうリズムがあるとか、こういう奏法があるとかね、バンド組んだりもしましたけど。 河合▼きっかけは、なんだったんですか? 大沢▼いやあ、きっかけってわりと不純だけど、いや、純粋だったのかな。女の子にもてたいみたいなね。 河合▼バンドをやっていたのは、大学時代の4年間ですか。 大沢▼僕は大学中退しちゃってるからね。途中から学校行かなくなっちゃって、    アルバイトして、バンドしてというのが続いて…。    でもその時、自分に関しては凄く自信あったから、だからイケるんじゃないかと思ってて。 河合▼では、たとえ(大学を)途中でやめてしまったにせよ「やっぱり行ってよかったな」    っていうのは感じますか? 大沢▼「よかったな」っていうか、それなりに思い出みたいなものはありますけどね。    そうか、河合さんは結構早くから仕事始めちゃったんですよね。 河合▼早くというか、16(歳)からですね。 大沢▼それはその時にいわゆる大人社会に入っちゃったわけですよね。 河合▼でも、最初は歌手になれるっていうことが嬉しくて、    ただその喜びが社会とかいうことよりも先走っていたんですよ。    だから雑誌の取材なんかで海外にいっても、仕事という感覚じゃなくて単純に嬉しかったりとか。    でもそれだけではなくなって、私の周りにはいろんな人がいるんだなあと思って、    一人ではやっていけないというか…。    "これだけの人がいるんだから"ということが、いろんな仕事をやっていくなかでわかっていったりしましたけどね。 大沢▼まじめなんですね。 河合▼えっ(笑)、まじめですか? 大沢▼俺なんか学生時代、女の子同士が手をつないで歩いてたりするのを夕暮れにじいっと見てたりして、    なんか違うんだなって。凄い遠くに感じられたんですよ。    その女の子たちは河合さんみたいなタイプの可憐な感じの女学生だったわけですけど…。    自分は施行が悪いから、世の中を斜めにみてるみたいなね、    だから、なんであんだけ清らかなものをもっているんだろうなって思ってしまって…。 河合▼でもそれは、純粋に好きだとかそういう気持ちしかないんじゃなくて、入ってしまった以上は中途半端では、    終わりたくないっていう気持ちがあるんですよね。 大沢▼いいですよね。 河合▼なにいってるんですか(笑)。 大沢▼うーん俺がなんか油っぽいっていうかそうとう、こうグニュグニュつで生きてきたんだなって気がしますよ(笑)。    なんていうか、男性の場合はおおかた想像もつくし疑似体験もできますけど、    女性の場合はどうも生理的にわからないものがあるからね。 河合▼私、今日、大沢さんにお会いする前にどういうお話をしようかなって……    お会いするチャンスは何度かあったわけですけど、なかなかこういう機会をもってお話することは、    なかったですからね。    どういうお話が一番いいかなあと思いましたけど、会ってお話して印象がだいぶ違いますね。 大沢▼よく言われるんですけどね。ラジオとかでも、同業者の人にもよく怖いっていうのを言われますね。    たいてい凄い喋んない人だとかね。バリアーができちゃうみたいな。 河合▼そうなんですよね。それはわかるような気がしますね。 大沢▼でも、得するときは得するんだけどね、なんかまわりの対応が不思議だなあって思ったりすることがあって、    一人でトイレ行って一人で笑っちゃうみたいな。なんか怒ってるみたいなイメージが強いらしくてね。 河合▼私は怒ってるとは思わなかったですけど、ちょっとクールで無口な、みたいな感じがしましたね 大沢▼でも本当にそんな人っていないでしょ、そばにいたらやだよそんな人(笑)。